「おしゃれな外観は“ 屋根 ”で決まる?|形・素材・角度で差がつく家づくり」
今回は「 屋根 」のお話しをします。
皆さんは、新築の屋根をどのように考えていますか?
もし家を建てたあと、「あの家、かわいいね」「かっこいいお家だね」と言ってもらえたら、きっと嬉しいですよね。
でも実際には、自分の理想のイメージに近づけるのって、なかなか難しい…。
外壁の素材や色にこだわるのももちろん大切ですが、実は“ 屋根 ”が外観の印象を大きく左右していること、ご存じですか?
フォルムや角度、素材の組み合わせ次第で、家の見え方は驚くほど変わります。
今回は、「形・素材・勾配」の3つの視点から、おしゃれな外観に仕上げるヒントをご紹介します。
ポイントは「形・素材・勾配」
デザインを考えるときは、大きくこの3つの要素を意識してみてください。
- 形(かたち)
- 素材(そざい)
- 勾配(こうばい)=角度のこと
それぞれの特徴や組み合わせによって、家全体のテイストや印象が大きく変わってきます。
【形】家の印象を決める、基本の4タイプ
長浜市周辺でよく見られる代表的な屋根のフォルムをご紹介します。
切妻(きりづま)
二方向に傾斜がある、すっきりとした三角形の屋根。
住宅と聞いて多くの人が思い浮かべる、最もベーシックな形です。
多くの住宅でこの形が採用されている理由は、「親しみやすく、バランスがよい」デザインだからです。
屋根の形が単純な分、スッキリとした印象があり、見る人に「軽やかで、明るい」雰囲気を感じさせます。
また、正面から見たときに山形のフォルムが現れるため、外観にメリハリが出て、立体感が感じられるのもポイント。
「昔ながらの日本の家らしさ」も感じさせる一方で、現代的なデザインにもなじみやすく、幅広いテイストに対応できる柔軟性があります。
こうした理由から、自然と「家らしい家」としてのイメージが定着しているのです。
【メリット】
- コストが比較的安い
雪の落ちる位置が予測しやすい
【デメリット】
- 妻側(横壁)が雨や紫外線の影響を受け劣化しやすい
寄棟(よせむね)
四方向すべてに傾斜がある、どっしりと安定感のある形。「豪邸っぽい」と感じる家には、この寄棟がよく使われています。
なぜ豪邸にこの形が採用されるかというと「落ち着きと重厚感」を感じさせるデザインだからです。
どっしりとした印象は、見る人から「守られている、落ち着いた雰囲気」を感じさせます。
また、軒がぐるりと四周に出て水平のラインがはっきりとわかります。
建築的に言うと「安定感や邸宅の品格」を演出するための典型的な手法となり、特に日本では、この水平ラインを出すということが“格式が高い”という表現として使われてきました。
そして、豪邸は間取りが大きくなりますが、バランスが取りやすいのが寄棟屋根の特徴です。バランスが整っているということは、視覚的にも整っているということなので“上品”に見えるというプラス効果があります。
このように色々な要素が重なり、自然と「豪邸」という印象に結びつきます。
【メリット】
- 全方向に面があるため耐風性が高い
- 雨や雪がバランスよく流れる
【デメリット】
- コストが高くなりやすい
- 施工に時間がかかる
片流れ(かたながれ)
一方向だけに傾いた、シャープで個性的な屋根の形。
近年、モダンなデザイン住宅でよく見られるスタイルです。 片流れ屋根が注目されるのは、「シンプルなのに、印象的」だから。
傾きによってできる非対称なフォルムは、見る人に「スタイリッシュで洗練された」印象を与えます。
街なかでもひときわ目を引く形状で、個性を大切にしたい方や、すっきりした現代的なデザインを好む方に選ばれています。
こうした印象が重なり、自然と「都会的でおしゃれな家」として片流れ屋根が選ばれています。
【メリット】
- 窓の位置を高くできるため、明るい室内に
- 構造がシンプルで、コストも抑えやすい
【デメリット】
- 風にやや弱い
- 雨樋への負担が大きい
陸(ろく)=フラット
傾斜のない、まっすぐ水平な形。
建築的には「屋上を持つ」タイプとも言われ、現代建築や都市型住宅で多く採用されています。
陸屋根が選ばれるのは、「無駄を削ぎ落とした、ミニマルな美しさ」があるからです。
傾斜がないことで、より直線的で引き締まった印象となり、見る人に「スマートで都会的な」印象を与えます。
さらに、屋上スペースを活用できるという実用的な魅力もあり、アウトドアリビングやプライベートテラスとしても人気です。
外観がフラットな分、全体的なシルエットに安定感があり、箱のようなモダンデザインと好相性。
そのため、自然と「洗練された都市型の暮らし」を象徴する屋根として、陸屋根が選ばれています。
【メリット】
- 屋上バルコニーとして活用できる
- メンテナンス時に登りやすい
【デメリット】
- 雨水が流れにくく、雨漏りのリスクが高め
- 断熱性がやや劣る
【素材】外観と機能性の両立に注目
素材は見た目だけでなく、耐久性やメンテナンス性にも関わる大事な要素です。
スレート(カラーベスト)
最も一般的でコスパに優れた素材。シンプルな外観に。
【メリット】
- 軽量で耐火・耐震性あり
【デメリット】
- 耐久性や防水性はやや低め
瓦(かわら)
焼き物ならではの重厚感。和洋どちらにも馴染む美しい素材です。
【メリット】
- 非常に高い耐久性/部分補修がしやすい
【デメリット】
- 重さがあるため耐震性に注意が必要
ガルバリウム鋼板
金属系素材で、シャープな印象に仕上がり、モダン住宅と相性抜群。
【メリット】
- 耐久・耐熱・耐震性が高い
【デメリット】
- 断熱性・防音性がやや低め
【勾配】角度ひとつで、印象も変わる
勾配とは、傾きの角度のこと。
見た目に直接関わる部分で、デザインにも機能にも影響を与えます。
一般的には「○寸勾配」と表され、4寸勾配なら“10に対して4の高さ”の傾斜という意味です。
日本の住宅の多くは、3寸〜5寸です。
これは、施工性・見た目・雨水の排水性などのバランスがとれた角度です。
しかし、選ぶ仕上げ材によって「必要最低勾配」が決まっており、勾配が緩すぎると雨漏りのリスクが高まることもあります。
それぞれの仕上げ材についての最低勾配の目安をご紹介します。
屋根材 | 最低必要勾配 |
---|---|
ガルバリウム鋼板(縦葺き) | 2寸~ |
ガルバリウム鋼板(横葺き) | 3寸~ |
スレート | 3寸~ |
瓦 | 4寸~ |
角度を変えるメリット
勾配を変えると、見た目だけでなく住まいとしての性能にも変化が生まれます。
- 急勾配:雨水が流れやすく、仕上げ材の劣化を抑えられたり、小屋裏にスペースができたりする。また、ロフトや吹抜け天井が作りやすくなる。
- 緩勾配:メンテナンス時に屋根にアクセスしやすい。
勾配の違いが生む印象の変化
緩い勾配(3寸程度):水平ラインが強調され、スタイリッシュな印象に
急な勾配(4寸以上):存在感が増し、温かみのあるクラシカルな印象に
小さな工夫で“印象的な屋根”に
形や勾配だけでなく、下屋をつけると屋根に段差が生まれ、立体的な印象になります。ちょっとしたアクセントは、デザインにぐっと深みをつけます。
屋根 の向きを変えるだけ


大屋根と下屋の方向を変えるだけで、モダンになります。
- 同じ方向:クラシカルな印象
- 別方向:モダンな印象
他にも、
- 軒を深くする:陰影が生まれて、和モダンな雰囲気に
- 破風板や水切りラインにアクセント色を入れる:全体を引き締める効果あり
アクセントは「さりげなく」がポイントです。
太陽光と相性のいい 屋根 はどれ?
太陽光発電を考えている方には、「勾配・素材・形状・方角」がすべて重要な検討ポイントになります。
最適な勾配(地域別目安)
太陽の南中高度は緯度によって異なるため、地域によって最適な角度も変わってきます。 北になるほど設置角度の傾斜を高くし、南であれば低くするなどの調整が必要となります。
北海道:4寸~4.5寸勾配
滋賀県(中間気候帯):3寸~3.5寸勾配
- 沖縄県:2寸~3寸勾配
方角は「南向き」が理想
太陽の光を一日中しっかりキャッチしたい方はこの方角になっているかチェックしてください。
南向き:一番発電効率が良く、年間を通して安定
東西向き:朝夕をカバーできるが発電量はやや少なめ
北向き:発電効率は低いため基本は避ける
太陽光に向いている 屋根 の形・素材
形『片流れ』:最も相性◎(広い一面に集中的に設置できる)
素材『ガルバリウム鋼板』:軽量で耐久性も高く、施工性も良好
片流れ × 南向き × ガルバ × 3.5寸勾配
・一方向にパネルを集中配置でき、ロスが最小限
・3.5寸はパネルの効率が高い“最適角度”のひとつ
・軽量なガルバリウム鋼板との組み合わせで施工性・耐久性も◎
・無駄のない形状で「デザイン性」と「実用性」の両立が可能
発電効率:★★★★★
施工性 :★★★★★
デザイン:★★★★☆
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