家づくりで悩むことのひとつが「 床材 選び方 」についてです。

フローリングにしようか、クッションフロアにしようか、最近人気の土間リビングも気になる…。そんなふうに迷う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、定番の無垢材と複合フローリングの違いから、用途別の床材の種類、さらには最近注目されている土間リビングまで、幅広くご紹介します。

暮らしやすさを考えた床材の選び方を、ぜひお読みください。

無垢材｜自然素材ならではの温もり

無垢材は、一本の木から切り出した“本物の木の床”。
天然木そのものを使った無垢は、木のぬくもりや香り、足触りなど五感に心地よいのが魅力です。経年で深まる風合いや、裸足に心地よい肌触りが暮らしにやさしく寄り添います。

無垢材のメリット

• 自然素材ならではの表情と香り
• 湿度を調整する効果で年中快適
• 長く使える（削って再生できる）

無垢材のデメリット

• 傷や汚れに弱い
• 湿気で反りやすい
• 初期コストとメンテナンスにやや手間

複合フローリング｜機能性が進化した定番素材

複合フローリングは、合板などの基材の上に木材の化粧材（突板・挽き板・シートなど）を貼り合わせたもの。無垢に比べて安定性が高く、施工しやすいため、住宅の多くで採用されています。
最近は、抗菌・抗ウイルス・防滑などの機能を持つ製品も登場し、より実用的でメンテナンスしやすい床材として注目されています。

種類の違い

▽ 「突板」と「挽き板」に悩んだら、どう選ぶ？

• 「インテリアとしての美しさを重視したい」「できるだけコストを抑えたい」→ 突板
• 「肌触りや木の質感を大切にしたい」「できれば長くきれいに使いたい」→ 挽き板

挽き板の方が価格は少し高くなりますが、無垢材に近い満足感を求める方にとっては、納得感のある選択肢になるでしょう。

最近の機能性アップにも注目！

近年は、機能性をプラスした複合フローリングがどんどん進化しています。例えば–

• 抗菌・抗ウイルス加工で、衛生面に配慮したい家庭にも安心
• 防滑仕上げで、小さなお子さまや高齢者がいるご家庭にも優しい
• 傷・汚れに強い表面コートで、掃除がしやすく美しさが長持ち
• 床暖房対応製品も増えて、より快適な住空間へ

こうした機能性は、特に「小さなお子さんがいるご家庭」「ペットと暮らしている方」「共働きでお手入れに手間をかけたくないご家庭」にとって大きな味方になります。

複合フローリングのメリット

• 寸法安定性が高く、反り・収縮に強い
• バリエーションが豊富で、空間や好みに合わせやすい
• 機能性（抗菌・防滑・床暖房対応など）製品が選べる
• 無垢よりコストを抑えやすい
• 施工しやすく、賃貸やリノベーションにも対応可能

複合フローリングのデメリット

• 木の“本物らしさ”や香り、肌触りは無垢に劣る場合も
• 表面材によっては傷がついても補修が難しい
• 長年使う中で、張り替えが必要になるケースも

無垢材と複合フローリングの違い｜“素材感”と“暮らしやすさ”のバランスを知る

無垢材と複合フローリング、見た目はよく似ていても、実際の「使い心地」や「メンテナンスの手軽さ」には大きな違いがあります。
たとえば、素材のぬくもりを肌で感じたい人には無垢材が、扱いやすさやコストパフォーマンスを重視したい人には複合フローリングが向いています。
以下に主な違いをわかりやすくまとめました。

暮らしのスタイルで選ぶのが正解

家族のライフスタイルや住まいに求めるものは人それぞれ。

• 「自然素材に囲まれて、心地よく暮らしたい」という方には、無垢フローリング。
• 「扱いやすく、掃除やメンテナンスも簡単な床がいい」という方には、複合フローリング。

大切なのは、どちらが優れているかではなく、どちらが自分たちの暮らしに合っているかです。
それぞれの違いをしっかり知った上で、後悔のない選択をしていきましょう。

 床材の種類と、使用されやすい場所｜空間に合った“賢い選び方”

住まいの中で、床は「空間の印象」と「暮らしやすさ」の両方に大きく関わります。
とはいえ、すべての場所に同じ床材を使うのが正解とは限りません。
空間の用途やライフスタイルに合わせて、素材を使い分けることで、より快適で長持ちする住まいが叶います。

シーク×おすすめ× 床材 選び方

ここではシーク建設がおすすめする床材の使用場所とおすすめ理由をご紹介します。

無垢材

• 使用場所：リビング、ダイニング、各居室、廊下など

家族が長く過ごすリビングやダイニングには、肌触りや質感がよく、経年変化も楽しめる素材がぴったりです。

複合フローリング

• 使用場所：リビング、ダイニング、各居室、廊下など

コストバランスを考えたい場所にも適しています。
リビングダイニングスペースにコスト高な無垢材を使いお部屋の上質な雰囲気をつくり出し、子供部屋や2階廊下にコスパの良い複合フローリングを使うなんてこともおすすめです。

また、防水などの機能付複合フローリングなら家全体を同じ床材にすることもできるので統一感のある印象をつくることができます。

クッションフロア

• 使用場所：トイレ、洗面所などの水まわり

防水性に優れ、つなぎ目の少ないシート状の床材。
水はねや汚れにも強く、掃除がしやすいので、衛生面が気になる水まわりに最適です。※フロアタイルと異なり、目地（つなぎ目）からの水の侵入リスクも抑えられるのがポイントです。

フロアタイル

• 使用場所：キッチンなどの水廻り

デザイン性が高く、店舗のような空間づくりにも活用されています。ただし、タイル状なのでつなぎ目からの水の新入には注意が必要です。

カーペット

• 使用場所：2階廊下、寝室、子ども部屋など

足音をやわらげ、ホテルのようなやすらぎ感を演出するカーペット。
特に2階では、階下への生活音の伝わりを防ぐためにも有効です。
小さなお子さまが転んでも安心な柔らかさも魅力のひとつです。

 床材 選び方|土間リビングという選択

最近注目されている「土間リビング」は、屋内と屋外をゆるやかにつなぐ半屋外的な空間として人気です。
モルタル仕上げなどの無機質な素材を使い、アウトドアグッズの手入れや、庭とつながる趣味空間として活用する方も増えています。
暮らしの自由度を上げたい方にはぴったりの間取りです。

土間リビングの 床材 選び方

土間リビングは、屋外との行き来や水汚れ、砂・泥汚れなどがつきやすい空間。そのため、以下のような耐久性・防水性・耐熱性に優れた床材が選ばれることが多いです。

• モルタル（左官仕上げ）
  無機質な風合いと経年変化の味わいが魅力。カフェやギャラリーのような無骨な雰囲気に仕上がります。ただし、ひび割れや表面の汚れが気になることもあり、定期的なメンテナンスが必要です。
• フロアタイル
  リアルな石目調・木目調のデザインと、施工しやすさが魅力。耐水性・耐久性に優れており、靴のままでも気兼ねなく使えるため、土間空間との相性は◎。
• 磁器タイル
  高級感があり、汚れ・水・熱にも強い素材。屋外との連続性を演出しやすく、玄関～土間リビング～テラスまで統一感を持たせたいときにおすすめです。また、薪ストーブの設置場所としても非常に安心感のある床材です。ただし、表面が硬くて冷たい・滑りやすいこともあるため、小さなお子さまや高齢者のいるご家庭では注意が必要です。

薪ストーブとも相性抜群の“土間リビング”

土間リビングは、薪ストーブと非常に相性の良い空間。
耐熱性のある床材を使えば、火のある暮らしを安心・安全に楽しめる“特別な場所”になります。

• 火入れや薪の出し入れがしやすく、床の汚れも気になりにくい
• ストーブ前のスペースでペットが暖をとったり、家族が自然と集まったり
• 冬は冷えやすい土間空間も、薪ストーブのぬくもりで快適に

土間リビング＋薪ストーブという組み合わせは、アウトドア派にもナチュラル志向の方にもおすすめの“心地よい日常の演出”ができます。

土間リビングがある暮らしの楽しみ方

• 趣味の自転車やキャンプ道具をディスプレイしながら収納
• 子どもが泥んこで帰ってきてもそのまま手洗い・片付けまで完了
• 観葉植物を飾って、インドアグリーンのある癒し空間に
• 冬は薪ストーブで家族団らん、火を囲んで過ごす豊かな時間
• 雨の日でも外とつながる“半屋外”空間として活用

住まいに少しの「余白」を持たせたい人こそ、土間リビングはおすすめ。空間の幅が広がるだけでなく、暮らしの豊かさそのものに気づかせてくれる空間になるはずです。

床材別｜おすすめな人・おすすめしない人

無垢材

おすすめな人
・自然素材の風合いを楽しみたい方
・裸足で過ごすのが好きな方
・経年変化を“味わい”と感じられる方
・手入れの時間も暮らしの一部として楽しめる方

おすすめしない人
・メンテナンスや日々の汚れに神経質な方
・ペットによる爪傷や汚れが気になる方
・床暖房を導入したい方（対応製品もあるが要注意）

複合フローリング（突板／挽き板）

おすすめな人
・天然木の見た目を手軽に取り入れたい方
・小さなお子さまやペットがいるご家庭
・掃除やメンテナンスのしやすさを重視したい方
・コストとデザイン性のバランスを取りたい方

おすすめしない人
・本物の木の質感や経年変化を重視する方
・将来的に「削って再生」をしたい方（複合では難しい）
・湿気の多い場所での使用（製品によってはNG）

 クッションフロア

おすすめな人
・トイレや洗面など水まわり空間に使いたい方
・お手入れのしやすさを最優先したい方
・リーズナブルに床材を選びたい方
おすすめしない人
・自然素材の風合いを大切にしたい方
・長期的な高級感を求める方・リビングなど、広い空間への使用

フロアタイル

おすすめな人
・リアルな木目や石目デザインを楽しみたい方
・水や汚れに強く、耐久性を重視したい方
・土間リビングやペットスペースにも適した素材を探している方
おすすめしない人
・目地の隙間に汚れが入りやすいのが気になる方
・床の冷たさや硬さが気になる方
・予算をできるだけ抑えたい方（施工費がかかることも）

カーペット

おすすめな人
・ホテルのようなやわらかな雰囲気が好きな方
・寝室や2階廊下で“静かさ”や“やすらぎ感”を重視する方
・小さなお子さまや高齢者の転倒リスクを軽減したい方
おすすめしない人
・ダニやほこりに敏感な方（掃除が大切）
・頻繁に汚れやすい空間（食事スペースなど）での使用
・ペットの粗相や抜け毛が気になる方

土間（モルタル・タイルなど）

おすすめな人
・アウトドアギアや自転車などを楽しむ方
・土足で自由に使える空間が欲しい方
・薪ストーブのある暮らしに憧れる方
・室内と外をゆるやかにつなぐ間取りにしたい方

おすすめしない人
・床の冷たさや硬さに敏感な方
・小さなお子さまや高齢者と同居されている方
・掃除をラクに済ませたい方（ほこりや砂が溜まりやすい）

まとめ｜“暮らしやすさ”と“ときめき”、どちらも大切に

無垢材の温もりや香り、肌ざわりは、やはり特別なもの。
一方で、複合フローリングは日々の暮らしに寄り添う機能性や、コストとのバランスに優れています。
どちらが良い・悪いということではなく、「どんな暮らしを叶えたいか」が床材選びのヒントになります。

実はこのコラムを書いている担当者自身も、家を建てた当時は「やっぱり家は無垢がいいよね」と、漠然と思っていたひとり。自然な木の風合いや“本物”という言葉に惹かれていました。

でも今になって思うのは、当時選んだ「抗菌・消臭・耐久性」のある突板フローリングは、忙しい日々や子育ての中でも気兼ねなく暮らせて、結果的にとても満足しているということ。

そんな風に、選ぶ時のときめきと、住んでからのリアルな快適さ、どちらも大事だと思うのです。

家づくりに正解はありません。

それでも、素材の違いや特性を知っておくことで、「自分たちにとってベストな選択」が見えてくるはずです。

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