なぜ家は3回建てろと言われるのか。
滋賀県長浜市でお客様の笑顔を シーク(=探求)する工務店 シーク建設 山﨑です。
タイトルで書いた「家は3回建てないと理想の家にならない」という言葉を聞いたことがありますか?
もしかしたら親族や会社の上司から言われたという経験があるかもしれません。
私自身は、家を建てる際に親とそこまで家について相談や会話をしたわけではないのでこの言葉を知らなかったのですが、この業界で働き親世代の方々とお話しする機会もおおくなり初めて知った言葉です。
『3回建て替えて初めて自分の理想の家になる。』
率直に聞くときっとこのようなイメージになるでしょう。
また、「そんなにたくさん建て替える余裕なんてないよ。」と思う方が多いはずです。
しかし、実はこの「家は3回建てないと理想の家にならない」という言葉はライフスタイルにかかった言葉だったのです。
ライフスタイルはそれぞれの家によって違いますが、多くのご家庭で「夫婦で暮らす時期」、「幼児期の子育てや小中高の学生子育ての暮らす時期」、「子育てがおわり夫婦だけでの老後暮らす時期」など時期によって変化があり、その生活習慣にあった家が欲しくなることに対して「3回建てたら理想の家」という言葉になったのでしょう。
しかし、ここ10年程で時代は大きく変化していると私は思います。
まずはライフスタイルの変化です。
ニッセイ基礎研究所のコラムによると、2021年平均の初婚年齢は妻29.5歳、夫31.0歳です。1950年と比較すると妻は6.5歳、夫が5.1歳上昇しています。
また、2021年第一子出産時の平均年齢は母30.9歳、父32.9歳。こちらも1950年の平均年齢と比較すると母の年齢は6.5歳上昇し、父の記録が始まった1970年と比較すると4.6歳上昇しています。
次に、ジェンダー価値観の変化です。
LGBTという言葉が周知され始め、男と女を分ける時代ではないことが世界的にも広まってきているのではないかと思います。
日本では同性間での婚姻が認められていないこともありマイホームを購入するには様々な課題がありますが、「2本並立型住宅ローン」や、「連帯型住宅ローン」といった二人の収入を合算したりして利用できる住宅ローンを提供する金融機関も増え始めています。
最後に、人生観の多様化です。
ライフスタイルの変化にも重なる内容だと思いますが、日本の共働き世帯は2001年から2021年までで約1.5倍も増加しており、夫婦の約7割が共働きをしています。(https://www.cr.mufg.jp/mycard/knowledge/23061/index.html参照)
少し前まで女性は結婚・出産を機に退職するという考え方が一般的でした。しかし、今は家事や育児への考え方は変化しており「できるほうがやればいい」という意識が浸透しています。
ライフスタイルの変化・ジェンダー価値観の変化・人生観の多様化により「3回」という表現自体をあやふやにしているのではないかと思います。
そもそも「1度で理想の家にする」ことが理想だと思いますが、どうすればいいのでしょうか。
私は、家を建てるということは理想の暮らしを考えることなのではないかと思っています。
まず、建て替えたいと思う理由は、生活が始まり暮らしていく中でやっとこれは失敗だったとか間違ってしまったという後悔が生まれるからです。
暮らし始めてから「もっとこうすれば良かったな」という考えは誰にでもありますよね。
それを補う為に今の時代ならSNSの活用などをすることも一つの方法でしょう。
SNSで調べれば「後悔しないためにコレはした方がいい」や「失敗談」というユーザーの実際の体験や経験をまとめたコラムがたくさんあります。
こういったコラムを参考にすることは、1度で満足する家にするための一つの基準になります。しかし、注意していただきたいのがそれはあなたのすべてではないということです。
後悔しないためにコレをした方が良いポイントや投稿者の失敗談は、その投稿をした人のマイナス点であってあなたにとっての後悔・失敗談になるかはわかりません。すべて真似するのではなく、あなたのライフスタイルとリンクさせて考えるべきだと私は思います。
例えば、広いリビングがほしいからランドリースペースや収納スペースを少なくして広々としたリビングを設けたとします。
しかし、実際はリビングが洗濯の干すスペースの代わりになってしまったり収納物がリビングに溢れかえってしまったりして、逆に部屋が狭く感じて失敗してしまったという考えになります。
大きなリビングの間取りにしたいと考えるよりも「家族5人で暮らすから5人集まっても窮屈に感じない広々としたリビングにしたい。」そのためにその他のスペースはどうするといいかなど緻密に考えることが1度で満足の家につながるのではないでしょうか。
つまり、設計の段階で10年、20年後と見据えて50年先までの暮らしをイメージして設計することが大切なのだと考えます。
また、デザイン性についても1度で満足する家には秘密があります。
それは愛着のあるデザインを選べたかどうかです。
ここ数年のシーク建設で家を建てていただくお客様が選ぶ外壁は、ガルバリウム鋼板です。
性能としても塗り替えやコーキングいらずのメンテナンスが少ない外壁として人気が高く、お客様の多くはこのガルバリウム鋼板のデザイン性を好んでいただき施工させて頂いております。
愛着のあるデザインは、40年、50年と暮らす中での満足度に大きく関わってくるのではないでしょうか。
「あ~、やっぱりこのデザインにして良かったなぁ。」
愛着のあるデザインは、何度見てもこう思えるはずです。
最後に理想の家にならない理由は、どこで建てるかも重要になってきます。
現在、インターネットやSNSが普及し日本で実際にモデルハウスや展示場を見学したりするご家族は年々減っており、プランや見積もりを依頼するのはたったの“1.3社”しかありません。(株式会社リクルート 「2020年注文住宅動向・トレンド調査」12P参照)
人生で1番と言っていいほど高額な買い物であるマイホームをほぼ初めの1社で決めている方が多いのです。
これが悪いこととは言いません。
だって、それまでにきっとたくさんのサイトの情報を照らし合わせてここなら理想の家づくりができるのだと判断されていると思うからです。
ただ、この3点だけをしっかりと判断基準に入れておいて頂くことをおすすめします。
それは、先ほど申し上げた「将来を見据え緻密に設計されたライフスタイルの間取り」、「愛着あるデザイン」と「あなたの理想の暮らしを一緒に探求できる会社」なのかどうかです。
ハウスメーカーの営業さんが本当に良い人だからここで建てれば満足のいく住宅が建てられるのか。
営業さんが良い人かどうかは大切なことですが違うと思います。
もしかしたら営業さんと設計士さんは違う人で営業さんが理解してくれても、思う通りの間取りにならない可能性が大いにあります。
間取りを考えること、愛着のあるデザインを選ぶこと、あなたの理想の暮らしを一緒に考える工務店・ハウスメーカーを選べていなければ「家を3回建てないといけない状況になってくるのかもしれません。
あなたがこのブログを読み、検討している家が『一度で満足できる家』の参考になれば幸いです。
家づくりは理想の暮らしをSeek(=探求)する、楽しい時間です。お話しを重ねながら、満足できる住まいを造りましょう。
▲家について考え始めたあなたには土地の探し方や選び方を紹介しているこちらのブログがおすすめです。ぜひチェックしてみてくださいね。